外装材としてのモルタルの問題点

外装材がモルタル塗りの外壁は、サイディングが多く採用されるようになった今でも外壁の王者であることには変わりなく、そのためいろいろな指摘をされることが多いです。また、現場で調合し施工する比率が高いことから、施工上の問題も起こりえます。

外装材がモルタル塗り=地震に弱い。そんなイメージが「阪神淡路大震災」をきっかけに生まれました。外装材のモルタル部分がものの見事に剥がれ、下地材だけが残って半壊した古い木造住宅が、都市直下型地震の象徴的な映像として何度も流れていたのが原因でしょう。しかし、外装材がモルタル塗りの古い住宅が多かったことも事実ですが、住宅の時代性の問題で、外装材のモルタルそのもののせいではありません。

外装材としてのモルタル塗りはクラック(ひび割れ)が入りやすいと先程も書きました。木造は鉄筋コンクリート造りとは異なり、もともと地震や強風で動く構造体ですから、モルタル塗りが追随しにくい場合、クラックとなることも多いのです。しかし、それだけではない原因もあります。主な原因としては、(1)モルタルの工程(下塗り、上塗り)と養生の不足、(2)塗り厚不足や、過大な塗り厚、(3)下地であるラス材の取り付けの施工法、(4)ラス材の選定そのものの不良、(5)調合の問題(材料・骨材)、(6)モルタルの硬化時の乾燥等による収縮亀裂、(7)構造躯体の地震等による揺れ、振動、(8)基礎や床、骨組みなどの構造耐力部の施工不良による壁の変形、などが挙げられます。モルタル塗りの場合、現場調合ですので、このほとんどは施工に絡む問題です。つまり、施工精度に大きく左右されるということです。

外装材が鉄筋コンクリート造りの場合でも、鉄筋の補強が十分でないとクラックが発生しやすくなります。ちなみに、問題のあるクラックはどの程度かと言うと、単純ではありませんが、おおむね幅が0.3ミリ以上で長さが50センチ以上の場合はクラックとして補修等を検討しなければなりません。

外装材、モルタル塗りは防火が目的ですから、当然所定の厚みが必要です。下塗り、中塗り、上塗りなど仕様により施工しなければならないのですが、本来必要な厚みを確保しないで薄いままで終わらせているケースが多いと疑われることもあります。防火構造では、モルタルで15ミリ、軽量モルタルでは製品によって薄くても認定されているものがありますが、この問題も火災などが起きて現場検証で厚み不足があった場合は、これからの品質重要社会では問題視される可能性があります。人の命にかかわることですから。