外装材にモルタルが使われることが多い日本の在来木造の外壁部分なのですが、外側が延焼防止でモルタル塗りやサイディング等防火構造性能を有しているのに対して、内側は柱を見せるのが在来木造の特徴す。その他の内壁は漆喰や入洛など湿式建材で不燃性はあるものの、防火認定レベルではありません。
外装材のモルタルだけを残し、内部だけが燃えてしまった火災の例はたくさんあります。ニュースで全焼と報道された例について、写真等で確認すると古い板張りの家は焼けこげた柱を残して無惨な残骸のようですが、モルタル塗りの場合などでは、外装材のモルタルを残して内部から屋根へ燃え広がっているケースが多いのです。つまり内部だけが燃え尽き、壁が残った形です。
外装材の耐火構造で重要なポイントは2つあります。まず、内外の火災から建物を守ることです。建物の高さ階数に応じて、避難上躯体が耐える時間を定めることです。2つ目は、火災にあっても再使用できることです。主要構造体が損傷しなければ再使用できることが重要になってきます。木造の場合、最悪損傷した柱を交換すれば再使用できることが求められます。木造準耐火構造もこの2つの条件をクリアしているのですが、主要構造が木ですので、さすがに耐火とはいえず「準」が付いているのでしょう。
外装材に火災に強い材料を使うことで、内外の耐火性能が評価されて、1993年に建築基準法上で木造の準耐火構造で3階建てアパートが建てられるようになりました。当時にして画期的なことでした。アパートは個人住宅と違い、不特定多数の人が借りて住む空間です。アパートやマンションの耐火構造に高いレベルが要求されるのは当然のことでしょう。日本は地震が多い国です。地震からの火災の怖さは阪神大震災で味わっています。
外装材はもちろん、当然建物には高い防火性が要求されるからで、木造=火災に弱いというイメージがようやく変わる時でした。しかし、当初建てられる場所は郊外などに限られ、単に北米からの圧力で形だけを整えた感もありました。耐火性能を認めたとはいえ、最も需要の多い準防火地域(東京23区など都市部住宅地)ではなかなか建てられなかったのです。そして、昨年ようやく準防火地域等での建築が認められるようになったのです。