外装材に要求される主な性能は、雨、雪、風、日射など自然環境に対する性能、防犯性能などがありますが、モルタル塗り外壁を普及させた最大の目的は、何といっても防火、特に隣家からの延焼を防ぐことです。
外装材において、北米や北欧などの住宅と日本の木造住宅の違いは、単に敷地や延べ床面積等の違いだけでなく、まさにこの点が異なっています。北米などで最もポピュラーな2×4(ツーバイフォー)工法は、防火・耐火性能が優れた工法として紹介されましたが、大きく違う点は、北米の住宅は内部火災だけを想定しているのに対して、日本の場合は隣家からの延焼防止を第一としていることです。
外装材をモルタル塗りにすることが、それで普及したのです。モルタルとは、砂とセメントを水と練り混ぜて作る建築資材のことです。一般には、セメントモルタルのことを指します。レンガやコンクリートブロックの目地を埋めて接着層にしたり、外装材として外壁に塗ったり、土間に仕上げ材として使われるほか、石やタイル張りの下地にも使われます。施工しやすく、防火性能があるので、一般によく用いられます。収縮性が高く、広い面性を塗る場合、目地を設けないと収縮亀裂が発生する欠点があります。また、アスファルト塗装でいうモルタルは、2mm以下程度の砂とアスファルトを練ったものです。セメントではなく、区別するためにアスファルトモルタルと呼ばれています。
外装材に使われるモルタルを作る際には、セメントと砂を重量比にして、1:2〜1:3の割合で混合されることが多いのです。ペースト状で施工性がよく、仕上材や目地材などに多く用いられています。コンクリートとの違いは、砂利が入らないことです。しかし、コンクリートと比べると高価で、クリープ現象などの伸縮も起こりやすいため、構造材料として単独で用いられることはあまりありません。
外装材に使われるモルタルの欠点としては、固まっていく時に収縮するため、クラック(ひび割れ)が生じます。全てのモルタルにクラックは生じているのですが、全体に分散して生じたクラックは、目には見えないのです。従って、一見したところではひび割れが入っていないように見えます。1ヶ所、もしくは数ヶ所に生じたクラックに収縮が集中すると、ひび割れが大きく目立つようになります。これは完全に防ぐことはできませんが、外装材に鉄筋を入れることで強度を上げることが出来ます。